ブラックジャックとは

ギャンブルに縁のない人でも、「ブラックジャック」というゲームの名前を知っている人は多いでしょう。トランプで遊ぶのが好きな人でしたら、それがどんなゲームか知っているかもしれませんね。それほどにブラックジャックは、ギャンブルゲームである以前に純粋なカードゲームとして人々の間に浸透しています。
ほとんど誰もが知っているこのゲームの歴史からひもといていきましょう。

歴史

その起源は諸説ありますが、16世紀後半のヨーロッパに家庭用のゲームが発達した際に、フランスで流行ったヴァンテアンというゲームが起源とされています。
ヴァンテアンは21という意味です。
後に黒のカードとJのカードが高配当というところからブラックジャックとなったとも、また、最初に配られた2枚がAとJの場合の呼称をブラックジャックと呼ぶのが当時流行ったことからこの名になったともいわれています。

日本で言うと戦国時代にまで遡れる古いゲームなんですね。双六(スゴロク)みたいなものでしょうか。
家庭用ゲームから発しているらしい、というルーツもやはりゲームそのものとしての人気と関係があるのかもしれませんね。
少し違った説もあるようですが…

現在までブラックジャックの起源についてはっきりと一致した意見はありません。ですが、ほとんどの人がおそらく1700年頃フランスにあった「21」を意味する「ヴァンテアン」という名のカジノが起源ということで同意しています。フランス人植民者のおかげで徐々に北アメリカに広がり、すぐに大陸中でプレイされるようになりました。スペシャル・ベットをオファーしたカジノもありました:ブラックジャックとスペードのエースのはいったハンドは10から1のオッズを支払う:このため「ブラックジャック」という名前が作られました。

出典:Blackjack

「ヴァンテアン」というゲームが先で、その名前のカジノが出来たのか?
そのカジノで取り入れられていた人気のゲームを、お店が「ヴァンテアン」と名付けたのか?
とにかく大流行りのゲームだったのでしょうね。

その後、19世紀に入り、アメリカであるボーナス制度が導入されました。
「21」の組み合わせの中でも特に、
「スペードのAと黒(スペードかクラブ)のJ(ジャック)」が高配当になるシステムです。

ここから「ヴァンテ・アン」は「ブラックジャック」と呼ばれるようになりました。

英語圏に入っていつしかブラックジャックと呼ばれるようになったということは確かなようです。

運任せの他のカジノゲームとは違い、ブラックジャックにはスキル(技術)の入り込む余地があります。ブラックジャックは「うまいひと」と「へたなひと」とで大きな差が出やすいゲームなのです。

おっと。
「うまいひと」と「へたなひと」で差が出やすいということは、どういうことなのでしょうか。「うまいひと」になるためにはどうすればよいのでしょうか。
とても気になりますね。
それではブラックジャックのカジノでの位置づけから見てきましょう。

ハウスエッジ

控除率(ハウスエッジ)とは

ギャンブルにおける控除率とは、ある賭けにたいしてどれだけの手数料をとられるかを示す割合。ハウスエッジとも呼ぶ。似た言葉に寺銭(てらせん)があり、これは割合だけでなく一定の手数料、参加料も示す。

控除率に対して、ある賭けにたいしていくら払い戻されるかの割合を還元率(かんげんりつ)と呼ぶことがある。

ルーレットがよく例に挙げられますよね。
「1」から「36」と「0」(アメリカでは更に「00」)の37分の1の確率に対して、ひとつの数字にベットして当たった場合、37倍の配当ではなく、実際には36倍の払い戻しになります。この1/36と1/37の差が胴元の取り分ということで、当たったプレーヤーにとっては差し引かれる手数料ということです。この場合は2.7%になります。

控除の仕方の違い
基本として「控除率」が適用されるのは、ゲームの勝者に対する配当からです。負けた方は何ももらえないのですから、控除することができません。

これがある限り胴元は基本的に有利安泰ということになるわけですよね。
そして控除率の低いゲームほどプレーヤー有利に傾く、ということですよね。

驚きの数字です。
なんということでしょう。
いますぐカジノに行きたくなってきますね。
がその前に、カジノのゲームの中での控除率いを見てみましょう。

「控除率」適用の仕方には、大きく分けて2通りあります。
  [1]あらかじめ控除されていて配当が行なわれているもの。
  [2]配当を行なう時点で一定割合の控除を行なうもの。

[1]はブラックジャックをはじめとしてルーレット、カリビアンスタッドなどがります。
[2]で代表的なのがポーカーで、レーキと言われるアレです。
これはつまり、ゲームの進行に従って配当が変化していくためです。

控除率を決めるには、必ずある基準があります。

それは、「賭け枠の倍率です」。
「2倍」の賭けよりも「10倍」の賭けの方が控除率が高いのです。
 
倍率が高いものは、そもそも発生しづらく、仮に当たった時の配当が大きいため、少しくらい配当を減らされても嬉しさのあまり、気になりません。(もちろん錯覚ですが)
配当が付いてから控除されると損した気持ちになりますが、初めから控除されていると、その事にはなかなか気づかないのではないでしょうか?

また、どんなに確率の低いことでも、ある時には立て続けに発生することが考えられます。
「宝くじ」のように当選本数が決められているのなら心配いりませんが、カジノゲームにはそのような事がないので、ハウス(お店)にも常に負け続けるリスクが付きまといます。
そのリスクを軽減するためにも、高倍率の配当は多めに控除されているのです。

わかりました。

控除率とは、「勝ちやすさ」「敗けやすさ」ということではなく、
勝った時の「儲からなさ」ということですね。
控除率が高いほど「勝った甲斐」がないということですよね。

この設定であればどれだけバカ勝ちされても胴元の経営が破たんしない、という計算の結果の数字というわけです。

 オリジナル控除率チャート
私見ではありますが、控除率の割合によっての評価をしてみます。

 控除率
 2%以下・・・・・非常に良心的でほとんど五分の勝負。でも配当は2倍。
 2~5%・・・・・そんなに悪くはないが、ダラダラしているとサイフに響く。
 5~10%・・・・決して良くはない。でも倍率が高ければそんなに悪くはない。
 10~20%・・・このような賭けは極力避けるべき。増えてもすぐ減る。
 20%以上・・・はっきり言って「ボッタクリ」。倍率高くても当たる前にオケラ。

 ちなみに日本の公営ギャンブル(競馬、競輪、オート、競艇)は全て「控除率25%」で、宝くじにいたっては「50%を超える」鬼のような控除率になっています。(約54%)
 また、麻雀荘ではゲーム代としていくらかの料金を別に払いますが、その金額も控除として考えると、かなりの割合になります。
 パチンコ屋は店や時期(キャンペーンなど)によって変動しますが、一説では20%位と言われています。
 こう見ると、国内のギャンブルはどれも「ボッタクリ」クラスの控除率ですが、唯一それを和らげているのは、カジノに比べて1回のゲーム進行が遅いことです。
 これは、勝負がつくまでにかかる時間が遅いほど、控除される機会が減っていくためです。
 それでもやはり、日本のギャンブルはまず全て「ボッタクリ」だと、私は思いますが・・・

なるほど。
この控除率、カジノではゲームの種類によって設定が違います。
これは何を意味するのでしょうか?

 ゲームによる控除率一覧
<ルーレット>
 アメリカン(0・00)・・・5.26% [2~36倍]
 ヨーロッパ(0)・・・・・・2.63% [2~36倍]

<ブラックジャック>
 ディーラーと同条件で行なう・・・約5.50%

<バカラ(ミニバカラ)>
 プレイヤー側・・・・・・・・1.36% [2倍]
 バンカー側・・・・・・・・・1.17% [2倍]
 タイベット・・・・・・・・・・14.20% [9倍]

<ポーカー>
 ライブポーカー・・・・・・・5.00%  [一般的な所]
 パイゴウポーカー・・・・・5.00%  [2倍]

<クラップス>
 パス、カム・・・・・・・・・・1.41%  [2倍]
 ドンパス、ドンカム・・・・1.40%  [2倍]
 フィールド・・・・・・・・・・・5.55%  [2~3倍]
 ハードウェイ(6,8)・・・9.09%  [8倍]
 ハードウェイ(4,10)・・11.10% [10倍]
 エニィセブン・・・・・・・・・16.67% [5倍]
 1-1,6-6・・・・・・・・16.67% [30倍]
 1-2,5-6・・・・・・・・16.67% [15倍]

<大小(マカオタイプ)>
 大,小・・・・・・・・・・・・・・2.77%  [2倍]
 2つのダイス組合せ・・・16.67%  [6倍]
 2つのダイスぞろ目・・・33.30%  [9倍]
 3つのダイスぞろ目・・・30.55%  [151倍]

倍率は全て元金込みの倍率です。
また、ブラックジャック、バカラ、クラップス、大小の控除率は「(株)データハウス刊 カジノ教本」より引用させていただきました。

ブラックジャックとポーカーが控除率高めですよね。

控除率が低いということは、気前よく払い戻してくれるので勝ち甲斐がありますが、裏を返せば敗けるひとから取れるので大丈夫です、と言われているようでもあります。
控除率が高いということは、カジノ側が用心しているような気配を感じてしまいます。勝ち分から多めに差っ引いておかないと見合わない、という声が聞こえてきそうな気がします。空耳でしょうか。
ポーカーの控除率が高いのは、プレーヤーがすべての掛け金を取ってしまうので、ここから差っ引いていかないと見合わないというのは納得がいきます。
しかしブラックジャックの控除率が高いということは、どういうことなんでしょうか…
ついでにマックスベットの金額も見てみましょうか。

ベッティングレート

ブラックジャックとバカラのマックスベット額の分布を比較してみました。

ブラックジャックのマックスベット一覧

$1~$100未満
(120円~12,000円未満) - - -
$100~$200未満
(12,000円~24,000円未満) - - マニラパビリオン
ハイアットマニラ
$200~$300未満
(24,000円~36,000円未満) - 済州KAL -
$300~$500未満
(36,000円~60,000円未満) タウンズビル パラダイス済州 リゾートマニラ
ソレアリゾート
$500~$1,000未満
(60,000円~120,000円未満) Binion`s
フォークイーンズ
ケアンズ
タウンズビル・H - -
$1,000~$2,000未満
(120,000円~240,000円未満) トロピカーナ
エクスカリバー
ルクソール
ニューヨーク
パームス
サーカス
メインストリート
カリフォルニア
コスモ
パームス
プラザ
フリーモント
エルコルデス
ゴールデンゲート
ブリスベン
ゴールドコースト
シドニー
アデレード
パース ギャラクシーマカオ
ブロードウェイ
サンズマカオ
ウォーカーヒル -
$2,000~$3,000未満
(240,000円~360,000円未満) モンテカルロ
ハラーズ
ゴールド
トレジャー
ラスベガス
ハードロック
ゴールデンゲート
ナゲット
ディ
キャンベラ
メルボルン シティオブドリームス
サンズコタイ
ベネチアンマカオ
プラザカジノ
ウィンマカオ・H
MGMマカオ タイタン
$3,000~$5,000未満
(360,000円~600,000円未満) プラネット
バリーズ
フラミンゴ
CROM
LINK
キャンベラ・H ベネチアンマカオ・H
ウィンマカオ
MGMマカオ・H
セブンラック マリーナベイサンズ
リゾートセントーサ
$5,000~$10,000未満
(600,000円~120万円未満) トロピカーナ・H
マンダレイ
MGM
モンテカルロ・H
パリス
リオ
ミラージュ
ベネチアン
トレジャー・H
ハードロック・H
ナゲット・H - -
$10,000~$15,000未満
(120万円~180万円未満) プラネット・H
パリス・H
ベラッジオ
コスモ
フラミンゴ・H
シーザース
ミラージュ・H
ベネチアン・H
ウィン - -
$15,000~$20,000未満
(180万円~240万円未満) - - -
$20,000~$50,000未満
(240万円~600万円未満) - - -
$50,000~$100,000未満
(600万円~1,200万円未満) アリアリゾート - -
$100,000~$200,000未満
(1,200万円~2,400万円未満) - - -
$200,000~
(2,400万円~) - - -

※ データ: 2015年時点のマックスベット。正確性に欠ける部分がある点はご了承ください。
※ 記号: H=ハイリミットルーム/L=ライブ中継ゲーム/D=デジタルビデオゲーム
※ 為替:
1USD=120円(ラスベガスカジノ)
1HKD=16円(マカオカジノ)
1W=0.1円(韓国カジノ)
1P=2.5円(フィリピンカジノ)
1SGD=90円(シンガポールカジノ)
1AUD=85円(オーストラリアカジノ)

12万円~36万円のゾーンが一番多いですね。
180万円を超えるとほぼ皆無。

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この記事を作成したキュレーター

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