マカオのカジノにあるテーブルゲーム台数は、カジノ側に決める権利は無い。
次々と巨大なカジノリゾートのオープンラッシュとなっている「西のラスベガス」とも言われるマカオ。そのカジノ施設内に設けられる「ゲーミングテーブル」の設置にまつわる豆知識と現在の状況をまとめました。
カジノのゲーミングテーブル
カジノに行くと、ブラックジャックやルーレット・バカラなどの、ゲームテーブルとディーラーが必要なゲームと、ディーラーが必要無いスロットなどの電子ゲームの、2種類のタイプのゲームが存在します。
この前者のゲームに必要なテーブルを「カジノのゲーミングテーブル」と言います。
このゲーミングテーブルにプレイヤーは座って、ゲームによって決まった人数が1度にプレイする事ができます。
スロットの場合は、主に1台1名が遊んで負けた金額がカジノ側の利益となりますが、テーブルゲームの場合は、この決まった人数が負けた金額が利益となります。ですので、「テーブル台数=利益」とも言えるのです。
カジノに行くと、建物が小さいからゲームテーブルの数も少ない・・・、建物が大きいのに、ゲーム少なすぎる・・・。など、いろいろな印象を感じる事があると思います。
筆者の場合は、ブラックジャックが好きなので、「ブラックジャックのミニマムベットが低い台がいつもいっぱいだから、もっと増やしてくれればいいのに・・・」と感じています。
でも、マカオのカジノは、カジノ側が好き勝手にゲームテーブル数を増やす事はできないのです。
ゲームテーブルは「マカオ政府」が管理
各カジノホテルに備え付けられているカジノエリアに配置されるテーブルゲーム数は、マカオ政府の許可がなければ増やす事ができません。また、新しいカジノホテルを作る場合に、収益源としてとても重要なテーブル台数も、マカオ政府が許可した台数しか設置が許されません。
先日、2016年8月22日に、新しくオープンしたカジノリゾート「ウィンパレス・マカオ」でも、かなりの大型施設だけに、カジノエリアも相当広いと予想していましたが、マカオ政府が割り当てた台数は、段階的に合計150台(オープン時100台・2017年1月1日 25台・2018年1月1日 25台)という状態。
ウィンパレスを運営するラスベガスのウィングループは、既にマカオでは「ウィンマカオ」という施設でカジノを展開している事もあり、ウィンマカオから250台の割り当て分を「ウィンパレス・マカオ」に移動して合計数を350台に増やすという技を使うしかなかった。
2016年9月13日にオープンを予定している大型カジノリゾート施設である「パリジャンマカオ」も、大きさの割りには少ない、150台(段階的な増加要素はウィンパレス同様)という割り当て数になった。
パリジャンマカオはフランス・パリがテーマのIRで、プロジェクト総工費は27億米ドル(日本円換算:約2806億円)。2分の1スケール(約160メートル)のエッフェル塔のレプリカ、客室数3000室のホテル、170店が軒を連ねるショッピングモール、広さ5200平米のコンベンション施設、1200席のシアター、スパ、ウォーターパーク、カジノなどで構成される。
ゲームテーブル数を増やすにはノンゲーミング要素が重要
マカオは、中国からの旅行者がカジノで多くのお金を使うことで、「世界最大のカジノ売上地」へと成長しましたが、ピークからは徐々に落ち込み始めました。
売上を重視した経営ばかりのカジノ施設が次々と乱立し、経済は上昇しましたが、「カジノでお金を使う街」という事ばかりが先行し、旅行で訪れた「ファミリー全員が楽しめる」という街では無くなってしまっていたのです。
そこでマカオ政府は、ゲーミングテーブルの台数を「カジノ監理当局」がコントロールする事にし、新しくカジノリゾート施設する企業が、必然的にファミリー層に向けた施設を作らなければいけない環境作りを始めたのです。
マカオカジノ監理当局にあたるDICJの最新データによると、今年(2016年)第2四半期末時点のマカオ全体のゲーミングテーブル台数は5994台、スロットマシン台数は1万3706台。
こういった背景もあり、マカオ政府は、20136年から10年間は、テーブル台数の増加率を3%以内に抑えるという発表をしました。
でも、3%は増やしていいのだから「ちょうだい」。どのカジノも自分のカジノに多くの台数を割り当てて欲しいと願うはずです。
でも、ここに審査基準があります。
この審査基準がある事で、ここ数年で出来上がるマカオのIRは、巨大でかつエンターテイメント性が高くないと、カジノエリアを増やす事ができなくなった為、沢山のエンタメが充実してきているのです。
ノンゲーミング(非カジノ要素)に対する投資額が決め手になるという事で、同じ時期にオープンするウィンパレスとパリジャンマカオを比較してみました。
◎ ウィンパレス・マカオ
総工費:41億米ドル(日本円換算:約4350億円)
客室数:1706
ショッピングアーケード
コンベンションセンター
パフォーマンスレイク
ゴンドラ
◎ パリジャン・マカオ
総工費:27億米ドル(日本円換算:約2806億円)
客室数:3000
ショッピングモール
コンベンション施設
シアター
スパ
ウォーターパーク
金額だけで換算すると、ウィンパレス・マカオは、パリジャン・マカオの1.5倍の費用を使って施設を作っていますが、割り当て数は同じ150台・・・。
審査基準はかなり厳しい様です。
でも、世界中の旅行者にとっては、お昼間は「世界遺産の街マカオ」を堪能し、夜は、カジノやエンターテイメントショー、世界中の優れたグルメを楽しめる、良い都市へと進んでいくと思われます。
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テーブル台数を増やして欲しいのであれば、カジノ利用目的以外でマカオに訪れる人が楽しめる施設を沢山増やしてよ!!
これがマカオ政府が決めた審査基準になります。