日本企業が運営していたドリームカジノ

ドリームカジノ(DREAM CASINO)

ドリームカジノ(DREAM CASINO)

この「ドリームカジノ(DREAM CASINO)」を運営している企業の運営者が、2016年6月10日、逮捕されるというニュースがメディアに報じられました。

インターネットのオンラインカジノサイトを運営し客と賭博したとして、京都府警は10日、常習賭博容疑で、大阪市中央区本町橋の会社役員、(中略)(39)ら実質運営者5人を逮捕したと発表した。府警によると、(中略)容疑者は「逮捕事実には誤りがある」などと容疑を否認している。無店舗型オンラインカジノの運営者が逮捕されるのは全国初という。
サイバー犯罪対策課によると、5人はインターネット上で賭博をする「ドリームカジノ」を運営。2013年12月~今年3月10日の複数回にわたり、不特定多数の客にサイトにアクセスさせて金を賭けさせ、賭博をした疑いがある。
インターネットの賭博サイト(オンラインカジノ)を運営し、賭博したとされる事件で、京都府警サイバー犯罪対策課と南署などは10日までに、常習賭博の疑いで、大阪市中央区本町橋、ネット関連会社役員(中略)容疑者(39)ら男5人を逮捕した。同容疑で他に男1人の逮捕状も取っており、府警が行方を追っている。オンラインカジノ運営者の逮捕は全国初という。

前日の9日に家宅捜索のニュースが報じられていた

逮捕日の前日である9日に、京都新聞のニュースで、京都府警が70人体制で、このドリームカジノの運営元である大阪市のウェブ制作会社など関係先を家宅捜索したというニュースがありました。

家宅捜索は午後2時40分ごろから捜査員約70人態勢で始まった。大阪市天王寺区のビルには捜査員約15人が入り、9日午後10時現在、捜索は続いている。
 府警は今年3月、別のオンラインカジノで現金を掛けたとして、単純賭博の疑いで、31~65歳のサイト利用者の男3人=いずれも賭博罪で罰金刑=を逮捕した。海外にサーバーがあっても国内向けの違法な賭博行為に該当するとし、賭博サイトの取り締まりを強化していた。

この家宅捜索の翌日の逮捕劇。もう恐らく逮捕は決まっていたのでしょうが、これから証拠を固める為の押収という事でしょう。

海外企業のサービスって書いてあるけど・・・

ドリームカジノのウェブサイトを見てみると、確かに日本の会社がやっているサービスではなく、どこの地名かはわかりませんが、海外に所在地がある会社がやっているとなっています。

ドリームカジノの運営会社

ドリームカジノの運営会社

では、何故、この大阪市天王寺区のウェブ制作会社の人達が逮捕されたのでしょうか?

理由は、名目上は、海外の会社の名前になっているが、実質的に運営していたのは、この大阪の会社だったとの事なのです。

ドリームカジノは、カジノが合法なオランダ領キュラソー島で営業許可を受けているとサイト上に記載していたが、サポートは日本語のみで行われていたことなどから、府警は国内で運営されていると判断した。
府警によると、5人は同市天王寺区に拠点を置き、英国にサーバーを設置した日本語版賭博サイト「ドリームカジノ」の経理やホームページ制作などを担当していた。利用者の相談に日本語で応じる案内役を雇っており、府警は5人が実質的にサイトを運営していると判断した。サイトではオランダ領キュラソー島が拠点と説明していたという。

ウェブサイトの制作を請け負っていただけなら、この会社は全く関係無いし、逮捕される理由なんて無いのでしょうし、サポートを受けていた・・・というだけも、なんだか100%運営しているというのも解釈が腑に落ちない点もありますが、「経理」をやっていたという点を見ると、確実に「この会社が運営していた」といって間違いないでしょうね・・・。

・海外法人が運営許可(ライセンス)を受けて運営。
・運営サービスはイギリスのサーバーに設置。
・ウェブサイト上には、海外法人名が明記。
・運営拠点は、オランダ領キュラソー島と明記。
・サイト制作、サポート、経理の担当は大阪の会社。

これは、ちょっと前にあった「FC2」の件と同じで、海外法人だけど、実業務が日本で行われているからという理由になります。

ドリームカジノの運営会社は、大阪の会社

このニュース報道の内容が正しいのであれば、日本ではカジノが違法だから、海外会社を作って、海外サーバーでサービスを運営。でも、運営しているスタッフは、日本で作業を行っている・・・。これは、最近よく話題になる「闇カジノ」と全く同じで、日本で賭博場を経営していた事と同じになります。

収益額はそれほど多くない・・・

ニュース報道で見ると、2012年のオープンから、会員数が9,500人で、賭け金の総額が19億2600万円と報じられています。

府警によると、天王寺区の事務所などから押収した資料を解析した結果、12年11月以降、約9500人の会員が計約19億2600万円を賭けていた。
オンラインカジノは、自宅のパソコンなどからネット上でポーカーやルーレットなどの賭博ができる仕組み。ドリームカジノは24年11月にオープンしたとみられ、会員数は約9500人、賭け金の総額は約19億2600万円に上るという。

収益で見せると、それほど大きくなかったのか、警察側の報道の狙いはよくわかりませんが、「賭け金の総額」としている点を見ると、より大きい金額に見せたかったという事がわかります。

逆に考えると、収益を報道してもインパクトが少ない金額だったのでしょうね。

ですが、ニュースの内容や会員数や賭け金総額を総合的に判断すると、会員数も世界的なオンラインカジノと比べると、レベルが違うし、金額も一番大きくなる数字を公表している・・・。「ドリームカジノは、大阪で運営されていて、日本に住む日本人の客だけしかいない・・・。」

こんな想像が出来ますね。

これから、取り調べなどで、正確な情報が出てきて、起訴・不起訴という判断が出てくると思うので、注目してきましょう。

追記

2016年6月30日に、このドリームカジノの事件の取り調べが終わり、京都地検は、常習賭博の罪と、常習賭博ほう助の罪で合計4名を起訴。1名は、起訴猶予となりました。

検察側が罰金刑で略式起訴を提示したのを拒んで、裁判を戦う為に起訴を選択したのか、起訴の詳しい内容はわかりませんが、内容からしても、ドリームカジノを運営していたという点で逮捕というスタートでしたから、普通は「賭博開帳罪」だと思われますが、起訴の罪は「常習賭博の罪」と「常習賭博ほう助の罪」。ちょっと理由がわかりにくいような気がします。

インターネットの賭博サイト(オンラインカジノ)を運営し、賭博したとされる事件で、京都地検は30日、常習賭博の罪で大阪市中央区、ネット関連会社役員の男(39)ら男2人を、常習賭博ほう助の罪で同区の会社員男(27)ら男2人を起訴した。地検は認否を明らかにしていない。

 起訴状などによると、役員の男らは、大阪市天王寺区で、海外に設置されたサーバー上のオンラインカジノ「ドリームカジノ」を運営するなどし、2013年12月~16年3月に多数回、埼玉県の男性ら不特定多数の客を自宅などからカジノに接続させ、ビデオポーカーと称する賭博をした、などとしている。

 一方、地検は30日、常習賭博の疑いで京都府警が逮捕した富山県高岡市の男(36)について、賭博ほう助の罪で起訴猶予にした。

調べてみると、オンラインギャンブルは、賭博場を日本で開いているという判断は、不成立とされた例があるようです。

<オンライン賭博×賭博場開張図利罪→不成立>

あ 胴元|システム
胴元が,賭博に関する情報の収集,発信,集約・集計を行った
この作業には移動可能な情報通信機器を活用した
例;携帯電話の電子メール

い 『場所』の固定×『賭博場』判断
随時・場所が特定・固定されていない
=移動しながらということも含む
胴元は一定の場所or場所的設備を支配・確保・提供していない
→『賭博場』と評価できるものがない(※1)
※福岡地裁平成27年10月28日

この件に当てはまる法律がしっかりと無いから、他の物に当てはめていっているという事なのでしょうか・・・?とりあえずは、日本で実質的に運営されていたのなら、確実にアウトではありますが、どうなっていくのか引き続き注目です。

追記(2016年9月14日)

先日の逮捕から、拘留期間が終わり、起訴となっていたドリームカジノを日本国内で運営していた事件の裁判が行われ、有罪判決が出されました。

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